独自動車部品大手コンチネンタルの子会社ヴィテスコ・テクノロジーズは9日、同社初の完全一体型電動パワートレインを自動車大手のPSAと現代自動車から受注したと発表した。すでに中国の天津工場で生産を開始している。今後1年以内にさらなる自動車メーカーから同パワートレインの受注を獲得する見通しという。
ヴィテスコは2006年に電動パワートレインの開発に着手。11年からは仏ルノー「フルエンス」「カングー」のEVモデルと、同EV「ゾエ」向けに供給してきた。
今回PSAなどから受注したのは第3世代の電動パワートレイン。部品を完全一体化したことでコネクターとケーブルの使用量を大幅に減らすことに成功しており、軽量化とコスト圧縮を実現した。重量は80キログラム未満に抑えている。定格出力は100〜150キロワット(kW)。定格出力150kW、最大トルク310ニュートンメートル(Nm)の製品は2リットルのディーゼルターボエンジンに匹敵するという。
PSAはヴィテスコから調達する完全一体型電動パワートレインを電動モジュラー車台「e-CMP」の採用モデルに投入する。具体的には小型EVのプジョー「e-208」とオペル「コルサ-e」に搭載する。
現代は中国合弁の北京現代を通してヴィテスコを中国市場における優先サプライヤーに選定しており、ヴィテスコから調達する完全一体型電動パワートレインをコンパクトSUV「エンシノ(コナ)」とセダン「ラフェスタ」のEVモデルに投入する。