高級婦人服製造の独エスカーダは10月31日、米投資会社リージェントが同社をインドの富豪メグハ・ミタル氏から買収したと発表した。「(エスカーダの)事業を新たな高みへと導くこと」が買収の狙いという。取引金額は不明。
エスカーダは1976年の設立から短期間のうちに高級婦人服ブランドとしての地位を確立した。だが、創業者でトップデザイナーのマルガレッタ・ライが1992年に亡くなると、ブランドの精彩は徐々に欠けていき、2009年に経営破たんした。
メグハ・ミタル氏は鉄鋼で有名なインドの富豪ミタル家の一員。買収当初はブランドイメージを刷新するために、エスカーダのそれまでの特徴だった贅沢なきらびやかさを前面に押し出さず、若い女性を顧客に取り込む方針を表明。また、ホームテキスタイル事業に参入するなど新しい方向性を模索したものの、成果は上がらなかった。15年には従業員の1割に当たる200人を整理した。18年以降の決算は不明。17年は赤字だったことが分かっている。