ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した10月の乗用車新車登録台数は前年同月比12.7%増の28万4,593台となり、2カ月連続で大きく拡大した。比較対象の2018年10月は欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更を受けて7.4%落ち込んでおり、その反動が出た格好。1〜10月の累計は前年同期を3.4%上回る302万4,751台だった。
EUでは排ガス検査方式が昨年9月に厳格化された。これを受けて8月までに駆け込み登録が殺到。9月以降は前年同月を下回る月が続いた。
10月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は前年同月比46.9%増の4,979台となり、これまでに引き続き大きく拡大した。シェアは前年同月1.3%から1.7%へと上昇した。
ハイブリッド車(HV)は138.6%増の2万6,382台で、シェアは前年同月の4.4%から9.3%へと伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)は248.0%増の6,947台と特に大きく拡大。シェアは0.8%から3倍の2.4%へと伸びた。
ガソリン車は4.5%増と伸び率が新車登録全体(12.7%)を下回ったことから、シェアは前年同月の62.3%から57.7%へと縮小。ディーゼル車は9.6%増で、シェアは31.8%から30.9%へと低下した。数は小さいものの、天然ガス車は255.3%増の732台へと急拡大した。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均155.4で、前月(155.1グラム)を0.2%上回った。昨年9月にEUの排ガス検査方式が変更されたことから、KBAは今年、CO2排出量の前年同月比については公表しないことにしている。
販売台数が最も多かった部門はSUVで、シェア22.1%を記録。コンパクトカー(同21.4%)を抜いて再びトップに立った。3位は小型車で13.1%だった。
伸び率が最も大きかったブランドはポルシェで、前年同月比497.5%増の3,346台を記録した。テスラ(372.6%増の293台)とアウディ(118.2%増の1万6,990台)も3ケタ台の伸びとなった。比較対象の18年11月は3ブランドとも激減しており、その反動が大きい。
ポルシェ、アウディ以外のドイツ車ではVWブランド乗用車も39.4%増の5万6,877台と大幅に伸びた。このほか、メルセデス(5.9%増の3万3,606台)、ミニ(5.2%増の4,707台)、BMW(3.4%増の2万4,319台)、フォード(0.1%増の2万2,365台)が前年同月を上回った。スマート(17.4%減の3,749台)とオペル(29.6%減の1万3,753台)は大幅に落ち込んだ。
日本車ではレクサス(27.3%増の224台)、トヨタ(4.9%増の7,237台)、マツダ(3.6%増の6,186台)、日産(2.9%増の2,692台)が増加。三菱(6.9%減の4,547台)、ホンダ(20.8%減の1,117台)、ススキ(22.6%減の2,360台)、スバル(35.4%減の372台)は減少した。
日本車以外の主な輸入ブランドではアルファロメオ(71.4%増の468台)、ルノー(56.6%増の1万118台)、双竜(34.3%増の180台)、ランドローバー(21.3%増の1,459台)、セアト(21.0%増の9,800台)、現代(11.9%増の1万378台)、シュコダ(10.4%増の1万5,928台)が2ケタ増を記録。起亜(9.9%増の5,723台)、ジャガー(7.8%増の567台)、ボルボ(5.3%増の4,498台)、フィアット(2.2%増の5,554台)も前年同月を上回った。プジョーは0.1%減の5,752台、ジープは1.1%減の1,158台、シトロエンは1.2%減の3,863台、DSは9.4%減の231台、ダチアは20.0%減の2,889台へと落ち込んだ。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した10月の国内乗用車生産台数は40万5,400台で、前年同月を5%下回った。同輸出台数は10%減って30万3,700台となった。1〜10月の累計は生産台数が前年同期比9%減の398万900台、輸出台数が12%減の298万3,300台だった。