自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは15日、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、デジタル化に2020〜24年の5年間で最大600億ユーロを投資すると発表した。有形固定資産・研究開発投資総額の実に40%強を占める計算。同比率は昨年11月に打ち出した19〜23年の5カ年計画に比べ約10ポイント上昇しており、VWは今後の競争でカギを握る分野への投資を加速させる意向だ。ハンスディーター・ペッチュ監査役会長は「VWグループの転換を決然と推し進めていく」と強調した。
600億ユーロのうち330億ユーロをEVに投資。残り270億ユーロをHVとデジタル化に振り向ける。中国合弁の投資は今回の計画に含まれていない。
同社はまた、29年までにEVを最大75モデル、HVを約60モデル、市場投入する計画も明らかにした。EVは同年までに約2,600万台、HVは同約600万台、販売する目標。EV2,600万台のうち2,000万台を、VWグループのEV専用プラットホームである「MEB」の採用車が占める。残り600万台はアウディとポルシェが共同開発中の高級EV専用プラットホーム「PPE」の採用車となる。
EVは独ツヴィッカウ、エムデン、ハノーバー、ツッフェンハウゼン、ドレスデン工場とチェコのムラダー・ボレスラフ、米チャタヌーガ、中国の仏山、安亭鎮工場で生産する。