エネルギー大手の独エーオンは28日、フィンランド製紙大手UPMの独工場内に熱電併給型のバイオマス発電施設を建設すると発表した。カルステン・ヴィルトベルガー取締役は「エネルギー集約型の工場に、ほぼ100%カーボンニュートラルなエネルギーを経済的かつ安定的に供給できることを証明する」と強調。製紙以外のエネルギー集約型業界にも同様のサービスを提供していく意向を示した。
約1億1,000万ユーロを投じて独西部のフュルトにあるUPMの工場敷地内に発電施設を設置し、2022年第1四半期(1〜3月)から操業を開始する。発電容量は20メガワット(MW)、発熱容量は87MW。同施設で生み出された熱を工場で利用し、電力は外部の送電網に供給する。燃料には地元の廃材を用いる。新規雇用30人強を創出する。
同施設が稼働すると、UPMフェルト工場のカーボンフットプリント(原材料調達から製造、廃棄・リサイクルに至る製品のライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの量をCO2に換算したもの)は大幅に改善されるという。
エーオンは産業規模の熱電併給型バイオマス発電施設を英国とスウェーデンですでに運営している。ドイツは3カ国目となる。