東芝がDBからハイブリッド機関車受注、独で製造へ

東芝は23日、子会社の東芝インフラシステムズが独現地法人の東芝鉄道システム欧州社(TRG)を通してドイツ鉄道(DB)の鉄道貨物子会社DBカーゴ(DBC)からディーゼル電気ハイブリッド機関車50両の設計、製造、供給契約を受注したと発表した。独北東部のロストックにあるDBCのメンテナンス工場で製造する。2021年から製造に向けた準備を開始する予定だ。

今回受注したのはディーゼル発電機で発電した電力と、バッテリーからの電力を使用する駆動システムを搭載した出力750キロワット(kW)のハイブリッド機関車。バッテリーには東芝インフラシステムズが開発したリチウムイオン二次電池「SCiB」、主電動機には定格効率97%の高効率な永久磁石同期電動機(PMSM)を採用し、従来のディーゼルエンジンのみを搭載した機関車と比べ、30%以上の排出ガス低減を実現する。また、高信頼性、高稼働率、省メンテナンスを実現するために、入換用ヤード、工場構内での運搬、および本線での軽負荷運行ができるようにする。欧州では二酸化炭素(CO2)の削減に向けて様々な環境規制が導入されており、入換作業用の機関車にもハイブリッドタイプなど低公害車を導入する動きが強まっている。

東芝インフラシステムズは日本貨物鉄道(JR貨物)向けハイブリッド機関車をはじめとして日本国内の鉄道事業者にリチウムイオン電池を使ったシステムを納入してきた。また、18年8月にはSCiBを使用した蓄電池システムで、鉄道車両に要求される欧州規格EN50126などの認証を取得した。

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