自動車大手の独ダイムラーが11日発表した2019年12月期決算の営業利益(EBIT)は43億2,900万ユーロとなり、前期を61%下回った。ディーゼル車排ガス不正容疑やタカタ製エアバッグのリコールに伴う引当金、バンの車種見直しが響いた格好で、株主帰属の純利益は67%減の23億7,700万ユーロへと落ち込んだ。売上高は1,727億4,500万ユーロで、前期を3%上回った。
部門別でみると、乗用車とバンが特に振るわなかった。乗用車ではEBITが53%減の33億5,900万ユーロへと後退。売上高営業利益率は前期の7.8%から3.6%へと低下した。バンのEBITは3億1,200万ユーロの黒字から30億8,500万ユーロの赤字へと転落している。トラックのEBITは11%減、バスは同7%増、金融・モビリティサービスは55%増だった。
20年12月期は販売台数でやや減少、売上高で横ばい、EBITで大幅増を見込む。オラ・ケレニウス社長は、昨年開始したコスト削減措置の効果はすでに出ていると指摘。19年12月期で業績は底を打ったとの見方を示した。ただ、今後3年は厳しい状況が続くとして、株主や市場に理解を求めた。