ステーキハウスのチェーン店を展開する独マレードは23日、デュッセルドルフ区裁判所に会社更生手続きの適用を申請することを明らかにした。新型コロナウイルスの流行に伴う飲食店の営業命令を受けて経営破たんへと追い込まれた格好。イタリア料理チェーン大手の独ヴァピアノもすでに、会社更生手続きの適用申請の準備を進めるなど、飲食業界は厳しい状況に陥っている。
ドイツでは18日からレストランの夜間営業が禁止。23日からはデリバリーサービスとテイクアウトを除いて全面的に禁止された。このため、デリバリーもテイクアウトも行えない飲食店は営業停止へと追い込まれている。
だが、営業停止で収入がなくなっても、店舗の賃貸料や人件費は支払い続けなければならないことから、資金繰りがにわかに悪化している。
マレードはドイツを中心に37店舗を展開。雇用規模はドイツが約950人、オーストリアが54人に上る。年商は5,000万ユーロ。
ヴァピアノの店舗数は230カ所(独本国は55カ所)で、雇用規模は1万人(同3,800人)に上る。事業の急速な拡大が響いて昨年から経営が悪化しており、主要株主、取引先銀行との間で再建策を取りまとめた矢先だった。新型コロナの流行で状況が一段と悪化したことから、現状では主要株主も取引先銀行も再建支援契約に調印しない意向だ。
両社とも政府が打ち出した緊急支援策に期待を示している。