取引信用保険に政府保証、サプライチェーン維持に向け

ドイツ政府は16日、既存と新規の取引信用保険に対し国が今年、最大300億ユーロの保証を行うことを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くの企業で資金繰り悪化すると、取引信用保険サービスの提供が難しくなり、そうした企業への製品供給が滞る恐れがあることから、国が保険リスクの一部を引き受けることで、サプライチェーンが維持されるようにする狙いだ。

取引信用保険は顧客の売主が販売先との取引で回収できなかった売掛金を、与信限度額と保険条件に従って補償する商品。同保険を利用することで企業は取引先に製品を安心して供給できる。

景気が悪化するなどして多くの企業の資金繰りに不安が出てくると、保険会社は取引信用保険サービスを提供しにくくなり、企業は売掛金回収リスクを恐れて取引先への製品供給をためらうようになる。そうなるとサプライチェーンが正常に機能しなくなり、経済が一段と悪化することから、政府は今回の措置を決定。取引信用保険会社がサービスを引き続き提供できる枠組み条件を整えた。

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