独3州がマスク着用を義務化、先行する都市では11日連続で新規感染なし

ドイツ南部のバイエルン州は20日、マスクの着用を義務化すると発表した。同国では東部州のザクセンとメクレンブルク・フォーポマーンでも同様の措置を実施ないし予告済み。マスクには新型コロナウイルスの感染拡大を抑止する効果があることから、3州は導入を決めた。

同国ではメルケル連邦首相と国内16州の首相が15日の電話会議で、新型コロナの感染拡大を防ぐために3月から導入している規制を一部解除することを決めた。これにより店舗面積800平方メートル以下の小売店はすべて営業を再開できるようになった。この規制緩和に伴い人と人が近接するリスクが高まることから、同会議では、1.5メートルのソーシャル・ディスタンスを保つのが難しい公共交通機関などでマスクの着用を強く奨励することも決議した。

ドイツは中央集権制のフランスと異なり州が比較的強い権限を持つ連邦制を採用しており、各州は幅広い分野で独自の措置を実施することができる。3州は州の権限に基づいてマスク着用を義務化。ザクセン州では小売店内での買い物と公共交通機関の利用に際しての着用を20日付けで義務付けた。バイエルン州も27日から同様のルールを導入する。メクレンブルク・フォーポマーン州は27日から公共交通機関でのみ義務化する。バイエルン州のマルクス・ゼーダー首相は「(着用の)アピールだけでは必要とする安全性を確保できない」と述べ、強制措置が必要との認識を示した。

ドイツでは全国に先駆けてイエナ市がマスクの着用義務を6日に導入した。その効果で、同市では20日まで11日連続で新規感染者が出ていない。

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