「2020年は戦後最大のマイナス成長に」=政府予測

ドイツは今年、深刻な不況に陥る見通しだ。政府が29日に発表した国内総生産(GDP)の予想成長率は実質マイナス6.3%で、2009年に記録した戦後最大のマイナス成長幅(5.7%)を0.6ポイント上回る。同予測は世界経済が現在以上に悪化しないほか、新型コロナウイルスのパンデミックが制御されることを前提としており、これらの前提が崩れた場合は下振れが避けられなくなる。

政府は第2四半期(4~6月)に不況が底を打ち、その後は徐々に回復すると予想。来年は今年の反動でGDPが5.2%拡大するとみている。ただ、新型コロナ危機前の水準に戻るのは2022年になるとの見方だ。

景気の大幅な悪化を受けて失業者数は昨年の227万人から今年は262万人に拡大。特に宿泊・飲食、流通、企業向けサービスで大幅に増える。

ペーター・アルトマイヤー経済相は記者会見で、新型コロナ危機からの脱却に向けて景気プログラムを実施する意向を表明した。企業投資と消費を誘発する政策を検討中だ。自動車業界からはすでに、環境対応車の購入助成を求める声が出ている。

ドイツ経済研究所(DIW)のクラウス・ミヒェルセン景気担当主任は、景気プログラムの詳細を速やかに公表し、企業が事業の見通しを立てやすくするよう促した。それにより雇用も維持されるとしている。

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