ドイツ連邦統計局が8日発表した3月の輸出高は営業日数・季節要因調整後の実質で前月比11.8%減の992億ユーロとなり、現在の統計が始まった1990年8月以降で最大の下げ幅を記録した。新型コロナウイルスの感染拡大が欧州諸国で深刻化したことが特に響いた格好。輸出高は前年同月比でも7.9%減の1,089億ユーロ(名目)と大きく落ち込んだ。
輸入高も前月比で実質5.1%減の865億ユーロと振るわなかった。下げ幅はリーマンショックに端を発する金融・経済危機のさなかにあった2009年2月以降で最大。欧州諸国からの輸入が大きく落ち込んだ。名目の輸入高は916億ユーロで、前年同月を4.5%下回った。
貿易収支は174億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月を22.0%割り込んだ。経常収支の黒字も21.0%減の244億ユーロへと落ち込んでいる。
輸出はユーロ圏向けが前年同月比14.0%減と大きく後退した。主要国であるイタリア、スペイン、フランスで新型コロナ危機が軒並み深刻化したことが大きい。欧州連合(EU)のユーロ非加盟国向けは3.8%減、EU域外向けは4.3%減だった。EUを離脱した英国向けは9.0%減と減少幅が大きかった。
輸入はEU域内からが振るわず、ユーロ加盟国は7.8%減、EUのユーロ非加盟国は8.6%減となった。EU域外は0.1%減と減少幅が小さかったものの、英国は14.6%減と大幅に縮小した。
1-4月の輸出高は3,249億ユーロで、前年同期を3.3%割り込んだ。ユーロ圏向けが5.9%、EU域外向けが2.8%の幅で減少。EU域外向けは1.6%増加した。英国向けは14.5%減と振るわなかった。
1-4月の輸入高も2.9%減の2,731億ユーロへと後退した。地域別の内訳はユーロ圏が5.2%減、EUのユーロ非加盟国が2.5%減、EU域外が1.2%減。英国は5.6%増加した。
1-4月の貿易黒字は518億ユーロで前年同期を5.1%下回った。経常黒字は1.1%増の650億ユーエオへと拡大している。