電機大手の独シーメンスは16日、モバイル勤務を新型コロナ危機の終了後も標準的な労働モデル(ニューノーマル)として継続する方針を明らかにした。感染拡大の防止目的で大規模に導入したところ、メリットが多いことが明らかになったうえ、従業員も柔軟な勤務体制を求めているためだ。全世界の従業員が平均して週2~3日、モバイル勤務することができるようにしていく。
同社ではこれまでもモバイル勤務が行われてきた。だが、勤務はあくまでも出社が中心であり、在宅勤務などはどちらかというと例外的な取り扱いだった。
今後はこれを改め、モバイル勤務をニューノーマルの中核的な要素へと格上げする。従業員を出社ではなく成果で評価する考えで、ローラント・ブッシュ副社長は「従業員には労働を自分自身で形づくる権限を与え、最高の成果を上げられるようにする」と狙いを語った。シーメンスの雇用者としての評価を高め、有能な人材を獲得しやすくするという計算もある。
この新しい勤務モデルは現時点ですでに、世界43カ国の14万人以上の従業員に適用できる。同モデルの利用拡大に向けて同社は今後、管理職を対象に研修を実施する。これにより管理職がモバイル勤務利用の妨げにならないようにする狙いがあるもようだ。