バイオ医薬品開発の独キュアヴァクは21日、カタール投資庁(QIA)と新旧の投資家グループが同社に合わせて約1億2,600万ドルを出資すると発表した。キュアヴァクにはドイツの政策金融機関KfWが6月に3億4,300万ドル、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が20日に1億7,100万ドルを出資することをそれぞれ取り決めており、同社は総額6億4,000万ドル(5億6,000万ユーロ)を調達することになる。
キュアヴァクはタンパク質合成のための情報を持つRNA分子であるメッセンジャーRNA(mRNA)をベースとする医薬品の開発に取り組んでいる。体内に侵入した病原体を撃退するためのたんぱく質の製造情報を、mRNAを通してヒトの細胞に伝達する技術を持つ。
同社はこの技術を用いて新型コロナワクチンを開発しており、6月に治験の第1段階に当たる第1相臨床試験を開始した。来年半ばまでに市場投入する計画だ。
ドイツ政府は新型コロナワクチンの開発を支援するため、KfWを通して資本参加した。出資比率は23%。経営には介入しない。
GSKの出資比率は10%弱。GSKとキュアヴァクは感染症分野の開発で協業する。新型コロナワクチンは協業の対象外。
QIAの出資額と出資比率、出資目的は明らかにされていない。