電気通信大手の英ボーダフォンは24日、移動通信用のタワー事業を手がける独子会社ヴァンテージ・タワーズの新規株式公開(IPO)計画を発表した。独フランクフルト証券取引所で来年初頭にIPOを実施する。時価総額は最大200億ユーロに達すると見込まれている。
ヴァンテージはデュッセルドルフに本社を置く子会社。欧州9カ国で計6万8,000本以上の電波塔を運営している。英ロンドンでなくフランクフルトでIPOを実施する理由についてボーダフォンのニック・リード最高経営責任者(CEO)は、ヴァンテージの事業に占めるドイツの割合が最も高いためだと説明した。
ヴァンテージのIPOはフランクフルト証取にとってシーメンスのエネルギー子会社シーメンス・エナジーに続く大型上場となる。同証取を運営するドイチェ・ベルゼのテオドーア・ヴァイマー社長は、「両社の(フランクフルト上場)計画は国際的な大手プレイヤーにとって我々の枠組み条件が魅力的であることを改めて明確化した」と述べた。
ヴァンテージは直近の売上高が9億5,000万ユーロで、営業利益(EBITDA、調整済み)5億2,300万ユーロを計上した。ボーダフォンはIPO後も同子会社の過半数株を保持する考え。
移動通信サービス業界では5G投資に巨額資金を要することから、タワー事業のIPOなどにより投資資金を確保する動きが増えている。