ZFがヘリ用トランスミッション事業売却へ

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンがヘリコプター用のトランスミッションなどを手がける子会社ルフトファールトテヒニクの売却に向けた手続きを進めている。ZFの確認を得た情報として24日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、広報担当者は適切な譲渡先があるかどうか吟味していることを明らかにした。

新型コロナウイルスの感染が始まる前の時点で売却先の模索を投資銀行ロートシルトに委託した。同紙は金融業界の情報として、このところ交渉がやや停滞していると報じたが、広報担当者は「交渉は新型コロナの影響を特に受けていない」と語った。同子会社はニッチ市場で活動していることから、売却先候補は少ないもようだ。

ルフトファールトテヒニクは独北部のカルデンに主要拠点を置く企業で、従業員数は400人。独国防軍や北大西洋条約機構(NATO)加盟国向けにヘリコプター、航空機用のトランスミッション、その他の部品を製造している。ヘリコプター用トランスミッションや関連部品の分野では欧州市場で77%のシェアを持つ。昨年の売上高は8200万ユーロ。売上高の5-6%を研究開発に投じている。

ZFは経営資源を自動車分野に絞り込むとともに、債務を圧縮するため、同子会社を売却する。米同業ワブコの買収で有利子債務が膨らんだところに、新型コロナ危機が発生して業績見通しが悪化していることから、経営陣は銀行から融資契約を解除されたり、融資行と債権者の経営介入を招く恐れがあると危機感を募らせている。

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