ドイツ連邦統計局が30日発表した2020年4-6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比10.1%減となり、4半期ベースのGDP統計を開始した1970年以降で最大の減少幅を記録した。リーマンショックに端を発する金融・経済危機のピークに当たる09年1-3月期(第1四半期)でもマイナス成長幅は4.7%にとどまっており、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う現在の危機は深刻だ。Dekaバンクのエコノミストは「今それが公式になった。百年に一度の景気後退が」と明言した。
製品とサービスの輸出、輸入がともに激減したほか、個人消費と設備投資が大きく落ち込んだ。国が巨額の経済支援策を打ち出したことから、政府最終消費支出はマイナス成長をやや緩和したとみられる。
GDPは前年同期比でも実質11.7%減(物価・営業日数調整値)と、大きく落ち込んだ。マイナス成長幅はこれまでの最高である7.9%(09年第2四半期)を大きく上回っている。
統計局は今回、新たなデータをもとに2015年以降のGDP統計の見直しを実施した。この結果、多くの数値が改定されており、15年の成長率は1.5%から1.2%、17年は同2.8%から2.9%、18年は1.5%から1.3%へと改められた。
四半期ベースでも19年10-12月期(第4四半期)がマイナス0.1%から0.0%、20年1-3月期(第1四半期)がマイナス2.2%からマイナス2.0%へと引き上げられるなど修正が多数、加えられている。
従来の統計では、GDPが今年第1四半期に2四半期連続のマイナス成長(景気後退入りの指標)となったとされていた。今回の発表で19年第4四半期の成長率が0.0%に修正されるとともに、今年第2四半期がマイナス成長となったことから、ドイツ経済が景気後退入りした時期は第1四半期から第2四半期にずれ込んだことになる。