物価が5カ月ぶりに上昇、CO2排出有償化やVAT減税終了で

ドイツ連邦統計局が28日発表した1月の消費者物価指数(速報値)は前年同月を1.0%上回った。インフレ率がプラスの領域に入るのは5カ月ぶり。新型コロナ危機対策で導入されていた付加価値税(VAT)率の引き下げ措置が12月末で終了したほか、二酸化炭素(CO2)の排出を有償化する措置が1月1日付で施行されたことが大きい。年明けとともに法定最低賃金が引き上げられたことも物価を押し上げた。

エネルギー価格は2.3%低下したものの、下げ幅は前月の6.0%から縮小した。VAT減税終了とCO2有償化を受けてガソリンや暖房油の価格が上昇したことが反映されている。食料品は2.2%上昇し、上げ幅は前月の0.5%から大きく拡大した。

物品全体ではプラス0.6%となり、前月のマイナス1.8%を2.4ポイント上回った。価に占める比重が53%に上るサービスも上げ幅が前月の1.1%から1.5%へと拡大した。

消費者物価は前月比でもプラス0.8%と大きく伸びた。1月は例年、クリスマス商戦期に当たる12月の反動で前月比のインフレ率が低下するが、今年はVAT減税終了やCO2有償化を受けて上昇した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が1.6%、前月比が1.4%に達した。

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