電機業界の3月受注31%増加、部品・部材不足で生産には支障

独電気電子工業会(ZVEI)が10日発表した独電機業界の3月の新規受注高は前年同月比31.3%増と急拡大した。世界経済回復のほか、比較対象の昨年3月は新型コロナウイルスに感染拡大を受けて需要が激減していたという事情がある。国内受注が35.9%、ユーロ圏(ドイツを除く)が同25.6%、ユーロ圏外が28.6%の幅で伸びた。

1~3月の新規受注高も前年同期を15.6%上回った。国内が14.7%、ユーロ圏が11.7%、ユーロ圏外が19.0%増えた。

3月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月比11.6%増となった。1~3月も前年同期を3.1%上回っている。

4月(第2四半期初頭)の工場稼働率は86.7%に達し、1月(第1四半期初頭)の82.0%から4.7ポイントも上昇した。受注残月(受注残高を月の売上高に換算)は1月の3.3カ月から3.8カ月へと増えた。

4月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI、無効回答を除いたベースで算出)は前月の40.6ポイントから40.1ポイントへとやや低下し、これまでの増加傾向にひとまずストップがかかった。部品・部材の供給がひっ迫していることが響いた。水準自体は依然として高い。特に白物家電(81.0ポイント)、電気駆動装置(55.8ポイント)、計測機器・プロセスオートメーション(49.8ポイント)で高水準に達した。情報機器はマイナス9.2ポイントとなり、15部門中で唯一マイナスの領域に沈んだ。

3月の業界売上高は前年同月比9.8%増の183億ユーロに拡大した。ユーロ圏が14.7%増、ユーロ圏外が11.3%増と2ケタ台の伸びを記録。国内は6.9%増だった。

1~3月の売上高も3.1%増えて479億ユーロとなった。ユーロ圏外が5.3%、ユーロ圏が3.7%、国内が1.2%の幅で伸びた。

4月の業界景況感指数は30.7となり、前月の33.2から低下した。低下は12カ月ぶり。現状判断はこれまでに引き続き改善したものの、今後6カ月の見通しを示す期待指数が悪化した。

4月の輸出期待指数は前月の27.9ポイントから35.2ポイントへと上昇した。改善傾向が続いている。

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