JERAが水素キャリア開発の独社に出資

JERAは13日、水素貯蔵・輸送技術開発の独ハイドロジーニアスLOHCテクノロジーズに出資すると発表した。水素経済実現で大きな役割を果たすと期待されている液体有機水素キャリア(LOHC)技術の知見を得るとともに、欧州、北米、アジアなどでLOHCプラントの展開を支援しグローバルな水素サプライチェーンの構築に寄与する考えだ。

ハイドロジーニアスが実施する総額5,000万ユーロの資金調達に他の投資家とともに応じる。JERAは米子会社JERAアメルカズを通して1,500万ユーロを出資する。

水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、化石燃料に代わる次世代燃料として今後の普及が期待されている。ただ、燃えたり爆発するリスクが高いことから、安全かつ低コストで貯蔵・輸送する技術の開発が世界的に進められている。

ハイドロジーニアスは独南部のエアランゲンに本社を置く企業で、水素エネルギーキャリアの一つであるLOHCの独自技術を持つ。同社のLOHCは、媒体としてベンジルトルエンを使用し、化学反応によって水素を添加するというもの。液体として常温・常圧で水素を輸送・貯蔵できるうえ、燃えにくく爆発しないため、取り扱いやすい。同社は現在、独西部のドルマーゲンで世界最大のLOHCプラントを建設中で、2023年に運転を開始する予定だ。

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