独バイオ医薬品企業キュアバックは14日、同社が開発した新型コロナウイルスワクチンの生産委託ネットワークをスリム化すると発表した。治験結果が低調で、当局の承認を得て市場投入しても大きな需要が見込めないことを踏まえた措置。独ワッカーとスイス企業セロニックへの委託契約を解除した。
キュアバックはメッセンジャーRNA(mRNA)ベースの新型コロナワクチン開発を昨年開始し、今年6月に治験最終報告を発表した。有効率は48%で、すでに接種が行われている他社の製品を大幅に下回っている。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は現在、認可手続きを行っているものの、仮に承認されたとしても需要は小さいとみられることから、ワッカー、セロニックとの解約に踏み切った。独レンチュラー・ビオファーマ、スイス企業ノバルティスへの生産委託契約は据え置いている。
キュアバックは現在、新型コロナの第2世代ワクチンを英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同開発している。10-12月期に治験を開始する見通しだ。