独機械業界の生産成長率、来年は実質5%に半減

独機械工業連盟(VDMA)は16日、独業界の来年の生産成長率が実質5%となり、今年の同10%(予測)から鈍化する見通しを発表した。新規受注は大幅に増えているものの、材料不足と物流のひっ迫で生産が滞っているためだ。状況改善は当面、見込めないことから、伸び率が押し下げられる。新型コロナウイルスのデルタ株流行とワクチン接種の遅れで経済が減速している国があることも響く。

VDMAが会員企業を対象に今月初旬、実施したアンケート調査によると、サプライチェーに「大きな」ないし「深刻な」影響が出ているとの回答は計81%に達した。特に電子部品の調達に苦慮している。今後3カ月間の見通しについては40%が「悪化する」と回答。「変わらない」も52%と多く、状況改善の兆しは出ていない。

部品不足による生産調整で売上成長率が今年、順調に生産できた場合に比べ押し下げられると予想する企業は90%に上った。押し下げ幅については44%が1~5ポイント、28%が5~10ポイントを見込んでいる。ただ、売上増を予想する企業は90%に上っており、VDMAは今年の業界売上高が前年の2,040億ユーロから2,260億ユーロへと11%増加すると予想。来年はさらに6%増えて2,390億ユーロとなり、18年に記録した過去最高(2,320億ユーロ)を超える見通しだ。

今年1~6月の業界売上高は1,050億ユーロとなり、前年同期を名目で8.9%、実質で8.4%上回った。1~7月の生産成長率は実質7.1%。7月時点の工場稼働率は88.7%で、前年同月(76.1%)を12.6ポイント上回った。

1~7月の新規受注高は実質30%増えた。国内が20%、国外が36%増加。国外はユーロ圏とユーロ圏外がともに36%増だった。

上部へスクロール