独西南部バーデン・ヴュルテンベルク(BW)州は新型コロナウイルスの感染拡大防止規制を3日付で強化した。病院で集中治療を受ける新型コロナ患者数が高水準に達したことから、州政令に基づきこれまでよりも厳しい制限措置を導入した。
同政令ではコロナの感染状況を「基礎ステージ」「注意ステージ」「警戒ステージ」の3段階に分類している。注意ステージは住民10万人当たりの直近7日間の新規入院患者数(7日間の入院患者数)が8人以上、ないし州内の集中治療ステーションで治療を受ける患者数が250人以上となった場合、警戒ステージは7日間の入院患者数が12人以上、集中治療患者数が390人以上となった場合にそれぞれ発動される。同州では集中治療患者数が今月2日に2日連続で250人を上回ったことから、翌3日付で注意ステージが発動された。
これを受け屋内の飲食店、博物館、劇場などを利用できるのは、ワクチン接種完了者、コロナ感染からの快復者、PCR検査で陰性を証明した人に制限されている。PCR検査の有効期間は48時間。迅速抗原検査は認められていない(飲食店の屋外テーブルで食事する場合は迅速抗原検査も認められる)。いわゆる「2G」ルールを採用している飲食店でも従業員と顧客はマスク着用を義務付けられるようになった。
2Gはコロナ感染防止策のひとつで、「3G」とともに8月下旬から実施されている。3Gは「Geimpfte(ワクチン接種完了者)」「Genesene(コロナ感染からの快復者)」「Getestete(検査で陰性を証明された人)」の略。飲食店やホテル、理容・美容院を利用したり、屋内イベントに参加する場合、あるいは病院や老人ホームを訪問する場合、3Gのどれかに該当することの証明が義務付けられている。
2Gは飲食店などを利用できる人を接種完了者と快復者に制限するというもの。接種完了者と快復者は感染・重症化リスクが低いことから、マスク着用や社会的距離規制の適用を免除されるというメリットがある。BW州では注意ステージの発動に伴い、2G採用店にもマスク着用が義務付けられた。