ドイツ連邦統計局は3日、混合古紙の9月の卸売価格が前年同月を222.4%上回ったことを明らかにした。供給不足とコロナ禍のしわ寄せが反映されており、古紙の輸入価格も75.0%上昇。製紙原料の木材パルプ・セルロースの輸入価格は45.7%高くなった。
古紙不足の背景には印刷用紙の需要が年々、減少しているという構造要因がある。国内の印刷用紙生産高は19年に507万トンとなり、2010年の662万トンから23.4%縮小。コロナ禍が発生した20年には新聞の三行広告・折り込み広告需要が激減したことから、さらに449万トンへと落ち込んだ。10年比の減少幅は32.2%に上る。
製紙会社は印刷用紙の生産を減らす代わりに、包装用紙を増やしている。包装用紙の20年の国内生産高は436万トンとなり、10年(161万トン)に比べ170.3%も拡大した。