VWが電池セル分野で3社と協業、ユミコアとは正極材で合弁

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は8日、車載電池セルの分野でベルギー非鉄金属大手のユミコア、セル生産技術の米スタートアップ企業24M、リチウム生産の豪バルカン・エナジー・リソーシズの3社とそれぞれパートナーシップを締結すると発表した。持続可能な原料を用いて高品質のセルを低コストで量産。グループの電動車に搭載する考えだ。

ユミコアとは電池正極材製造の合弁会社を設立し、VWが欧州で展開するセル工場に供給する。VWは量産車用「統一セル」の生産を2025年から開始する予定。年産能力は当初20ギガワット時(GWh)で、30年までに最大160GWhへと引き上げる。同合弁では将来的に精錬とリサイクリングも手がける意向だ。

24Mはマサチューセッツ工科大学からのスピンオフで、半固体リチウムイオン電池の研究・開発を行っている。同社の技術を用いると原材料の量を減らせるうえ、製造工程も短縮できることから、コスト圧縮と製品ライフサイクル全体での二酸化炭素(CO2)の排出削減につながる。VWは新設する子会社に24Mの技術を投入し、量産技術を確立する意向だ。24Mへの資本参加も行う。

バルカン・エナジー・リソーシズは西南ドイツのライン地溝帯で炭素中立のリチウム製造プロジェクトを進めている。VWには26年から5年間、セルの原料である水酸化リチウムを供給する。

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