ゲンティン香港傘下の独造船所が経営破綻

クルーズ船運航事業を展開するゲンティン香港の独造船子会社MVヴェルフテンは10日、シュヴェーリン区裁判所に会社更生手続きの適用を申請した。同社は資金繰りに行き詰まり、12月の給与が未払いとなっている。

ゲンティン香港は2016年、経営破綻の危機に直面していた独造船所会社ノルディック・ヤーズを買収し、新会社MVヴェルフテンとして再スタートさせた。MVヴェルフテンはバルト海沿岸のヴィスマール、ロストック、シュトラールズントに造船所を持ち、従業員は1,900人強。

買収当時はクルーズ船旅行市場が旺盛だった。クルーズ船を建造できる造船会社は限られ、発注しても受け取りまでに長い時間を要することから、ゲンティン香港は買収により自ら建造に乗り出すことにした。

だが、コロナ禍の発生でクルーズ船旅行市場は急速に縮小。ゲンティン香港とMVヴェルフテンの経営はともに悪化した。

ドイツ政府とMVヴェルフテンの地元メクレンブルク・フォーポマーン州政府は同社の支援に前向きな姿勢を示してきたものの、支援の条件である6,000万ユーロの自己負担をゲンティン香港が経営難を理由に拒否し続けたことから、MVヴェルフテンは給与を支払えない状況に陥った。

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