ショルツ首相が訪日、政府間協議の立ち上げで合意

ドイツのオーラフ・ショルツ新首相は28~29日、日本を訪問した。ドイツは今年、G7の議長国を務めていることから、その意見調整のための訪日だったが、就任後初のアジア外遊で日本を選んだのは、国際情勢の緊迫や温暖化の危機を背景に両国の緊密な連携が重要と判断したためだ。両国政府は今回、政府間協議を立ち上げることで合意しており、日独関係は今後、一段と緊密化すると見込まれる。

ドイツは中国による「力による現状変更」懸念が高まってから、日本との関係強化に取り組んでいる。昨年は日本と初めて外務・防衛閣僚会合(2+2)を開催。ドイツのフリゲート艦バイエルンも日本に寄港し、日独共同訓練などを実施した。ロシアのウクライナ侵攻で「世界の平和秩序」は揺らいでおり、ショルツ首相はG7など民主主義諸国の結束を強める考えだ。

ドイツは2045年までの炭素中立実現を目指している。今回の戦争でロシア産化石燃料への高い依存が持つリスクが鮮明化したこともあり、脱炭素化の取り組みを加速する考えだ。これに絡んでショルツ首相は水素分野で日本と協業することに意欲を表明。29日には川崎脱水素プラントを見学した。

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