中小メーカー向けの再生エネ供給でRWEとコメ銀が協業

ドイツのエネルギー大手RWEと金融大手コメルツ銀行は20日、洋上風力発電事業を共同実施することで基本合意したと発表した。大手メーカーに比べ電力消費量が小さい中小メーカー向けに再生可能エネルギー電力を提供。これらの企業が炭素中立の生産体制を構築できるよう支援する。

独政府が実施する洋上風力発用電海域入札に来年、応札し、発電容量およそ1ギガワット(GW)のパークを設置する。出資比率はRWEが51%、コメ銀が49%。RWEは開発、建設、運営を引き受ける。コメ銀は新設する「グリーン中小企業ファンド」を通してプロジェクトに参加する。

顧客となる中小メーカーは、(1)グリーン中小企業ファンドへの出資(パークへの出資)(2)電力購入契約(PPA)の締結――のどちらかを通して同パークの電力を調達できる。(1)と(2)を組み合わせることも可能だ。

調達量は5メガワット(MW)から。電力消費量が小さい中小メーカーのニーズを踏まえ、低く設定している。

欧州では生産に伴う二酸化炭素(CO2)排出量の削減圧力が急速に高まっている。大手メーカーは調達規模が多いため、風力発電やメガソーラープロジェクトへの出資、あるいはPPAを通して比較的簡単に再生エネを確保できるが、小規模需要家である中小メーカーにはこれまでそうした手段がなかった。RWEとコメ銀は今回の協業を通して再生エネ調達のハードルを引き下げ、中小メーカーの脱炭素化を支援する意向だ。

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