ドイツのガソリン価格は現在、近隣諸国のなかで比較的低水準にあることが、連邦統計局の発表で分かった。同局が欧州連合(EU)欧州委員会と独連邦カルテル庁傘下の自動車燃料市場透明化局(MTS-K)のデータをともに27日明らかにしたところによると、ハイオクガソリン(E5)は20日時点で1リットル当たり平均1.97ユーロとなり、国境を接するEU加盟国のなかではポーランド(1.70ユーロ)、チェコ(1.93ユーロ)、ルクセンブルク(1.94ユーロ)に続き4番目に低かった。6月1日付で自動車燃料税が引き下げられたことが反映されているもようだ。
隣接国で最も価格が高いのはデンマークで、2.44ユーロに上った。これにオランダが2.36ユーロ、フランスが2.13ユーロ、ベルギーが2.11ユーロ、オーストリアが2.09ユーロで続いた。
軽油価格もドイツは近隣諸国のなかで4番目に低く、2.06ユーロだった。
同国ではエネルギー価格の高騰を受け、自動車燃料税が一時的に引き下げられた。期間は8月末までの3カ月。引き下げ幅はガソリンで29.55セント、軽油で14.04セントとなっている。
同税の導入を受け1日のガソリン価格は1.94ユーロとなり、前日(5月31日)に比べ27セント低下。軽油も11セント下がり1.93ユーロとなった。だが、その後は再び上昇していることから、石油会社が減税分を消費者に十分に還元せず、不当な利益を得ているとの批判が出ている。
統計局の今回の発表にはそうした批判を裏付けるデータがなかった。Ifo経済研究所などの研究機関も減税分は消費者に還元されているとの調査結果を出しており、不当利得との批判はこれまでのところ証明されていない。