化学大手の独BASFは27日、微生物をベースとするスキンケア成分の開発に成功したと発表した。市販されている既存の製品と異なり、皮膚の微生物相を構成する微生物をベースとしているのが特徴。臨床試験で成果を出した。
乳酸菌の一種であるラクトバシラス・クリスパタス(L.クリスパタス)という菌をベースに製品を開発した。L.クリスパタスは若い人の皮膚に多く存在し、加齢とともに減少していく。年齢の高い人のしわには存在せず、目の下では少ないことから、研究チームは同菌が若々しい肌のカギを握ると判断。「プロビオリフト」と「ポストビオリフト」という2種類の成分を開発した。
プロビオリフトは生きているものの不活性状態にあるL.クリスパタスを用いたクリーム状の物質。皮膚上で水に触れると菌が活性化する。45~65歳の女性を対象に実施した臨床試験では使用開始から2カ月で、プラシーボ使用者に比べしわが5%減った。目じりに比べ肌が滑らかになりにくい額でも効果があったという。
ポストビオリフトには肌の機械的な特性を改善し、目じりのしわを減らしたり、肌の色合いを均一化する効果がある。40~50歳を対象とした臨床試験では、皮膚弾力性が最大10%改善。目じりのしわとシミ・くすみも約7%減った。