7月生産者物価37.2%上昇、過去最高を大幅に更新

ドイツ連邦統計局が19日発表した7月の生産者物価指数は前年同月比37.2%増となり、統計を開始した1949年以降で最大の上昇率を2カ月ぶりに更新した。上げ幅はこれまで最高だった5月の33.6%を大幅に上回っている。エネルギーの上げ幅が前月の86.1%から105.0%へと拡大したことが大きい。

エネルギーでは天然ガスと電力が全体を特に強く押し上げた。ロシアへの依存度が高い天然ガスは163.8%(前月141.1%)を記録。同発電所向けは234.7%(227.0%)、産業向けは194.7%(182.6%)、再販事業者向けは186.6%(159.5%)に達した。

電力は125.4%(93.3%)で、再販事業者向けは215.9%(164.9%)、特別契約顧客向けは129.2%(88.8%)だった。

石油製品は41.8%(52.9%)で、灯油が107.9%(125.5%)、自動車燃料が31.6%(42.6%)となっている。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は14.6%(15.5%)だった。

中間財は19.1%増と大きく上昇したものの、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。ピーク時の4月は26.0%に上っていた。

中間財全体を強く押し上げたのは金属で24.1%(33.6%)を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は29.6%(42.0%)、非鉄金属は16.2%(24.7%)だった。金属以外では化学原料で33.4%(32.8%)、肥料・窒素化合物で100.4%(104.4%)、飼料で38.0%(42.7%)、穀物粉で48.9%(48.4%)を記録した。

投資財は8.0%(7.4%)上昇した。構成比重の大きい機械が9.7%(8.7%)、自動車・自動車部品が5.9%(5.3%)高くなった。上昇率はタービンで22.4%(22.4%)、エレベーター・エスカレーターで17.8%(11.5%)と特に大きかった。

耐久消費財は上げ幅が前月の10.5%から10.9%に拡大した。家具は13.6%(13.4%)に上った。

非耐久消費財の上げ幅も前月の14.7%から16.2%に拡大した。食料品は21.1%(19.0%)で、バターは75.2%(74.8%)、コーヒーは31.6%(31.8%)、鳥肉以外の肉は23.5%(19.1%)に上った。

生産者物価指数は前月比でも上げ幅が過去最高の5.3%に達した。各部門の上昇率はエネルギーが14.7%、非耐久消費財が1.3%、投資財が1.0%、耐久消費財が0.9%。中間財はマイナス0.3%となり、2カ月連続で下落した。エネルギーを除いた物価上昇率は0.4%(0.1%)だった。

エネルギーの内訳をみると、天然ガスは18.8%、電力は20.0%の幅で上昇。石油製品は4.3%低下した。

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