ドイツ連邦統計局が2日発表した7月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節調整ベースで1,313億ユーロとなり、前月を2.1%下回った。減少は4カ月ぶり。エネルギー価格の高騰や世界経済の低迷が響いた格好で、最大の仕向け先である米国向けも落ち込んだ。
輸出を仕向け先地域別でみると、欧州連合(EU)域外が5.6%減り、足を強く引っ張った。米国は13.7%減の123億ユーロ、中国は0.3%減の89億ユーロとともに落ち込んでいる。ユーロ圏は1.4%増、EUのユーロ非加盟国は横ばいだった。
輸入高は1.5%減の1,259億ユーロとなり、6カ月ぶりに落ち込んだ。ユーロ圏からが2.6%、EU域外からが1.8%の幅で縮小。EUのユーロ非加盟国からは1.9%増えた。最大の輸入先国である中国は11.5%減の151億ユーロと大きく落ち込んだ。米国も7.6%減の79億ユーロと振るわない。化石燃料価格の高騰を背景にこれまで増加が続いていたロシアは、7月は17.4%減の29億ユーロと後退に転じた。欧州向けの天然ガス供給を大幅に減らしたことが反映されているもようだ。
7月の貿易収支は54億ユーロの黒字となったものの、前月の62億ユーロから12.9%減少した。前年同月に比べると69.1%少ない。
1~7月の輸出高は8,869億ユーロで、前年同期を13.4%上回った。ユーロ圏向けが14.8%、EUのユーロ非加盟国向けが13.5%、EU域外向けが12.2%の幅で増加した。
1~7月の輸入高は26.7%増の8,497億ユーロに拡大した。EU域外が37.9%増と全体をけん引。ユーロ圏は18.4%増、EUのユーロ非加盟国は14.3%増だった。
非調整ベースの7月の輸出高は1,276億ユーロとなり、前年同月を10.8%上回った。輸入高は26.1%増の1,227億ユーロで、貿易収支の黒字幅は前年同月の178億ユーロから49億ユーロへと72.5%縮小した。