電気自動車(BEV)大手のテスラは米テキサス州オースティンに建設する車載電池工場の完成を、独グリュンハイデの電池工場よりも優先する意向だ。同社の確認を得た情報として独メディアが報じた。米国で新しい法律が成立し、手厚い補助金を受給できる見通しとなったことを受けた措置。グリュンハイデ電池工場の建設を中止するとした観測については明確に否定した。
米国では8月にインフレ抑制法が成立した。電池と電動車の国内生産を促進するため、一定条件を満たした電池に補助金が交付される。補助金の額は電池モジュール1キロワット時(kWh)当たり45ドル。リチウムイオン電池の平均価格が昨年、同137ドルだったことを踏まえると、車載電池を同国で生産するメリットは極めて大きい。
テスラはオースティンとグリュンハイデの両工場を可能な限り早急に完成させることが理想的だとしながらも、米国で新法が成立したことから、経済的なメリットを踏まえオースティン工場の完成を優先させることを明らかにした。欧州のエネルギー価格が高騰していることは無関係としている。