生産者物価の上げ幅、2カ月連続で過去最高に

ドイツ連邦統計局が20日発表した9月の生産者物価指数は前年同月を45.8%上回った。上げ幅は統計開始(1949年)後の最高となった前月と同じ極めて高い水準。エネルギーの上昇率が132.2%に達したことが特に響いた格好だ。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は前月と同じ14.0%だった。

天然ガスと電力がエネルギーを最も強く押し上げた。天然ガスは上げ幅192.4%(前月209.4%)を記録。産業向けは264.8%(264.9%)、発電所向けは233.1%(269.1%)、再販事業者向けは199.9%(236.8%)に達した。一般世帯向けでも95.1%(83.8%)に上っている。

電力は158.3%(174.9%)で、再販事業者向けは259.8%(278.3%)、特別契約顧客向けは148.9%(195.6%)だった。

石油製品は42.9%で、前月(37.0%)を上回った。灯油が84.4%(104.0%)、自動車燃料が38.6%(27.3%)となっている。

中間財は16.8%増と大きく上昇したものの、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。ピーク時の4月は26.0%に上っていた。

中間財全体を特に強く押し上げたのは金属で、18.1%(19.9%)を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は19.8%(20.9%)、非鉄金属は15.0%(16.9%)だった。金属以外では肥料・窒素化合物で113.5%(108.8%)、飼料で34.7%(37.6%)、穀物粉で44.3%(46.4%)と高い伸びを記録した。肥料の原料となるアンモニアは208.7%(175.9%)だった。

投資財は7.8%(8.0%)上昇した。全体を最も強く押し上げたのは機械で9.1%(9.3%)を記録。押し上げ効果が二番目に大きかった自動車・自動車部品は6.3%(6.2%)に上った。上昇率は金属構造物で18.4%、送風機で17.9%と特に大きかった。

耐久消費財は上げ幅がこれまでと同じ10.9%だった。押し上げ効果が大きい家具は13.6%(13.2%)に上った。

非耐久消費財の上げ幅は前月の16.9%から18.3%に拡大した。食料品は24.2%(22.3%)で、バターは72.2%、豚肉は46.3%、チーズ・クヴァークは39.7%、牛乳は37.5%、コーヒーは32.0%に上った。

生産者物価指数は前月比でも2.3%上昇した。各部門の上昇率はエネルギーが5.0%、非耐久消費財が1.3%、耐久消費財と投資財が各0.3%。中間財はマイナス0.1%で、前月を下回った。エネルギーを除いた物価上昇率は前月と同じ0.4%だった。

エネルギーの内訳をみると、天然ガスは6.6%、電力は3.5%、石油製品は5.9%の幅で上昇した。

最下流の消費者物価は9月に前年同月比で10.0%上昇し、インフレ率は前月の7.9%から大きく拡大した。川上から川下への価格転嫁は続いており、消費者物価の上げ幅が緩和する兆しは見えない状況だ。

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