化学大手の独エボニックは21日、TAA誘導体事業を伊同業SABOに売却することで合意したと発表した。特殊化学分野のポートフォリオを整理し収益力を強化する戦略に基づく措置。買収金額は明らかにされていない。来年初頭の取引完了を見込む。
TAA誘導体は光安定剤の前駆物質。光安定剤をプラスチックに添加すると光、酸素、熱による劣化を防ぎ、製品寿命を大幅に伸ばす効果がある。自動車や建材、農業用ホイルなど幅広い分野に投入されている。
SABOは光安定剤の有力企業。今回の買収により独マールと中国の遼陽にある工場を取得する。後方統合を進めるとともに、アジア太平洋地域でプレゼンスを強化する。