インフレ率が一段と上昇、10月は10.4%に

ドイツ連邦統計局が28日発表した10月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比10.4%増となり、上げ幅は前月の10%を上回った。10%台となるのは2カ月連続。川上物価の上昇が最下流に消費者物価に波及している。価格の転嫁はこれまでのところ部分的にしか行われていないことから、エコノミストの間ではインフレ率が今後も2ケタ台にとどまるとの見方が有力だ。

物価を特に強く押し上げたのはこれまで同様エネルギーと食料品で、上げ幅はそれぞれ43.0%、20.3%に達した。天然ガスと地域熱に10月から付加価値税の軽減税率が適用された効果でエネルギーは前月の43.9%をやや下回ったものの、水準は依然として極めて高い。食料品は前月を1.6ポイント上回り、これまでに引き続き上昇率が拡大した。

物価に占める比重が53%に上るサービスも4.0%となり、前月を0.4ポイント上回った。商品価格は幅広い分野で上がっており、コメルツ銀行のチーフエコノミストは『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、エネルギーと食料品を除いたコアのインフレ率が前月の4.6%から5.0%に上昇したとの試算を示した。

消費者物価は前月比では0.9%上昇した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が11.6%、前月比が1.1%となっている。

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