ドイツ連邦統計局が31日発表した上半期の非世帯(企業や官庁)向け天然ガス価格(付加価値税と控除可能な税を除く)は1キロワット時(kWh)当たり平均6.43セントとなり、前年同期を38.9%上回った。2020年半ばから上昇している取引所価格が反映された格好。調達契約の期間が相対的に短いことから、取引所価格高騰の影響を強く受けており、上げ幅は一般世帯向け(17.7%増の8.04セント=すべての税を含む)を大きく上回った。
非世帯向け価格を需要家の消費規模別でみると、年400万ギガジュール(GJ)超の顧客では49.8%増の8.51セントと上げ幅が特に大きかった。小規模需要家に比べスポット取引など短期契約の利用頻度が高いことから、取引所価格高騰の影響を強く受けている。消費量が年1,000GJ未満の需要家では15.0%増の6.27セントと上げ幅が相対的に小さい。
非世帯向けの電力価格(付加価値税と控除可能な税を除く)は1kWh当たり19.86セントで、前年同期を19.3%上回った。世帯向け(すべての税を含む)は1.9%増の33.50セントと上げ幅が大幅に小さい。世帯向けの上昇率が小さいのは◇契約期間が長いため取引所価格高騰の影響が相対的に小さい◇再生可能エネルギー電力助成分担金(EEGウムラーゲ)が引き下げられた――ためだ。
EEGウムラーゲは非世帯向けも減額された。ただ、大口需要家の同分担金はもともと軽減されていたことから、今年上半期の引き下げの効果が小さかった。
引き下げの効果が特に小さかったのは年消費量15万メガワット時(MWh)以上の大口需要家で、1kWh当たりの電力料金は42.0%増の18.62セントと大幅に上昇した。20MWh未満の需要家はEEGウムラーゲ引き下げの効果が大きく、料金は3.8%増の26.40セントと小幅の上昇にとどまった。