エジプトの電化路線をドイツ鉄道が運営へ、総延長2000キロ

ドイツ鉄道(DB)は8日、高速鉄道に対応したエジプト初の長距離電化路線網の運営とメンテナンスを同国政府から受注したと発表した。総延長は高速鉄道網で世界6位の2,000キロメートル。エジプト史上最大の鉄道プロジェクトだ。

同鉄道網は(1)紅海の港湾都市アイン・スクナと新行政都市、カイロ、地中海のメルサマトルー、アレクサンドリアを結ぶ660キロの路線(2)カイロとスーダン国境に近いアブ・シンベルを結ぶ1,100キロの路線(3)世界遺産ルクソールと紅海のフルガダを結ぶ225キロの路線――からなる。鉄道インフラの建設と車両は電機大手の独シーメンスを中心とするコンソーシアムがすでに受注している。

DBは国際事業子会社DBインターナショナル・オペレーションズ(DB IO)を通して同インフラと高速鉄道・ローカル鉄道・貨物鉄道の運営、および駅・車両基地のメンテナンスを引き受ける。これらの業務を行うため現地電機大手エルスウェディ・エレクトリック(EE)と合弁会社を設立する。まずは(1)の路線運営を2025年から開始する予定だ。

電化路線が開通すると、移動・輸送時間が大幅に短縮されることから、経済発展が促進される。また、環境に優しい鉄道の利用が増えることから、温暖化防止にもつながる。

DBはエジプト事業で得られる知見やノウハウをドイツ事業で活用するほか、同事業の利益を独国内の投資に充てる意向だ。

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