独経済省は15日、ヴィルヘルムスハーフェン港で同国初のLNG(液化天然ガス)受け入れターミナルが完成したと発表した。ドイツでは浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)合わせて6隻が2023年末までに稼働することになっており、23~24年冬季には天然ガスの国内供給が現在よりも安定する見通しだ。
同国はこれまで天然ガスをもっぱらパイプラインで調達しており、LNGターミナルはなかった。だが、ロシアのウクライナ進攻を受けロシア産に強く依存するこれまでの政策を是正。政府は5月にFSRUの傭船契約を締結した。それから200日足らずで最初のターミナルが完成しており、ハーベック経済相は「驚くべきスピードだ」と称賛した。今回完成した施設はテスト稼働を経て今年末~来年初頭にかけて操業を開始する。
政府はFSRUを計5隻、確保した。合計の処理能力は少なくとも年250億立方メートルに上る。このほか、民間の企業連合が同45億立方メートルのFSRUを今年末から運営することになっている。ドイツの天然ガス消費量は年950億立方メートルであることから、23年末にはその約3分の1を自国のLNGターミナルで確保できるようになる。