乗用車新車登録、11月は31%増に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した11月の乗用車新車登録台数は26万512台となり、前年同月を31.4%上回った。増加は4カ月連続。比較対象の2021年11月は半導体不足で生産が滞り新車販売水準が低かったという事情がある。コロナ禍前の19年11月に比べると新車登録数は12.9%少ない。

1~11月は前年同期比2.4%減の233万7,039台へと後退した。19年同期比では減少幅が29.7%に上っており、回復には程遠い状態だ。

11月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は5万7,980台となり、前年同月を44.0%上回った。増加は5カ月連続。プラグインハイブリッド車(PHV)は59.8%増の4万4,581台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は49.0%増の8万8,278台。PHVは購入補助金が年末で打ち切られ、BEVも来年1月から補助金が縮小されることから駆け込み需要が発生している。内燃機関車はガソリン車が10.1%増、ディーゼル車が27.6%増だった。

シェアをみると、BEVは22.3%で、前年同月を2.0ポイント上回った。PHVも3.0ポイント増の17.1%へと上昇している。内燃機関車はガソリン車が33.3%から27.9%、ディーゼル車が15.8%から15.3%へと低下した。BEVとPHVの合計のシェアは39.4%だった。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は96.6グラムで、前年同月から7.4%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。

主要3部門のシェアをみると、SUVは前年同月と同じ29.1%で首位を保った。2位はコンパクトカーで15.5%から16.1%へと拡大している。オフロード車は52.9%増と大幅に伸びたことからシェア11.6%を獲得。前月に引き続き小型車(11.0%)を抑え3位に付けた。

主要ブランドのなかで増加率が最も大きかったのはポールスターで、613.2%増の1,669台を記録。DS(301.4%増の594台)とMGロエベ(123.6%増の1,637台)、アウディ(109.1%増の2万2,054台)も伸び率が3ケタ台に達した。

アウディ以外のドイツ車ではVW(58.3%増の4万6,807台)、フォード(54.3%増の1万3,567台)、メルセデス(34.0%増の2万7,591台)が平均(31.4%)を上回る伸びを確保した。ポルシェは14.8%増の2,825台、BMWは13.4%増の1万8,983台。オペル(2.0%減の1万2,799台)、ミニ(6.8%減の3,704台)、スマート(46.2%減の1,440台)は減少した。

日本車は日産(66.9%増の2,532台)、レクサス(66.7%増の335台)、トヨタ(40.1%増の7,188台)、マツダ(37.8%増の3,337台)で大きく伸びた。スズキも7.9%増の2,064台に拡大している。三菱(16.8%減の2,854台)、ホンダ(19.7%減の564台)、スバル(25.3%減の339台)は落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドではテスラ(92.7%増の1万819台)、ジープ(86.3%増の2,133台)、ダチア(83.3%増の6,980台)、セアト(63.0%増の9,269台)、アルファロメオ(43.2%増の371台)、ボルボ(33.1%増の4,404台)が平均を上回る伸びとなった。フィアットは27.1%増の7,997台、起亜は23.1%増の6,887台、ランドローバーは16.0%増の926台、プジョーは2.8%増の4,141台、現代は2.7%増の1万90台、シュコダは2.1%減の1万1,226台、シトロエンは3.5%減の2,275台、ジャガーは6.9%減の242台、ルノーは30.2%減の7,340台だった。

増減率は示されていないものの、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは447台に上った。

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