ベルギーから独への天然ガス輸送能力倍増

ドイツのオーラフ・ショルツ首相は14日、ベルギー北部のゼーブルッヘ港で同国のアレクサンダー・デクロー首相と会談し、ベルギーからドイツへの天然ガス輸送能力を拡大することで合意した。デクロー氏は輸送能力を2倍に拡大すると明言。ショルツ氏は「それに見合った輸送能力をドイツでも拡張する」と請け合った。年内にも建設作業を開始する意向だ。

ベルギーは輸入した液化天然ガス(LNG)を再ガス化し、パイプラインでドイツに輸送している。昨年はバルト海経由でドイツに輸送されるロシア産の供給が削減・停止されたことから、ベルギー経由でドイツが輸入する量が前年の20テラワット時(TWh)から約13倍の256TWhへと急拡大した。ドイツがベルギー経由で輸入するガスはチェコやスロバキアなどの東欧諸国、オーストリアにも送られることから、ベルギー~ドイツ間の輸送能力拡大は欧州の安定供給につながる。

新たなパイプラインは将来の水素輸送を念頭に置いて設置する。両国は2028年までに水素輸送網を相互接続する意向だ。

両首脳は今回、両国の送電網の相互接続を拡大することでも合意した。北海での洋上風力発電が増加していることを受けた措置で、両国送電網の連系線を現在の1カ所から2カ所に拡大。電力の需給調整を行いやすくし、電力価格の低下につなげる考えだ。両国にデンマークとオランダを加えた4カ国は北海の風力発電能力を30年まえに現在の4倍に引き上げることを目指している。

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