BASFのCO2回収技術を日本で活用

化学大手の独BASFは28日、同社が日揮グローバルと共同開発した二酸化炭素(CO2)回収技術「ハイパクト(HiPACT)」をINPEXの「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」に提供すると発表した。同実証試験は国産の天然ガスを用いたブルー水素とアンモニアの製造、国内枯渇ガス田でのCO2回収・利用・貯留(CCUS)、発電による利用までを一貫して実証する日本初のプロジェクト。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受ける。

ハイパクトは高圧再生型CO2回収技術。2010年に国際石油開発帝石(現INPEX)越路原鉱場の天然ガスプラントで実証試験を終了し、商業化された。高温耐久性とCO2吸収性能が高く、高圧でCO2を再生することから、従来技術と比べてCO2回収・圧縮コストを最大35%削減できる。

INPEXの実証試験では天然ガスを原料とする水素製造設備で発生するCO2を高効率で分離回収するために利用される。新潟県柏崎市平井地区で日揮が建設し、25年に操業を開始する予定だ。回収したCO2は枯渇ガス田の貯留層に圧入される。

上部へスクロール