ドイツ鉄道発注のITネットワークに華為製品

ドイツ鉄道(DB)が発注した社内ITネットワークに中国メーカー華為技術(ファーウェイ)の製品が使用されることが分かった。ドイツ政府は安全保障上の懸念から国内の5G通信網で使用されている中国メーカー製品への審査を強化し、必要があれば排除する方針を打ち出したばかり。DBは鉄道という重要インフラを運営する国有企業であることから、波紋を広げている。ロイター通信が報じた。

DBは昨年12月、業務用ITネットワークの構築をドイツテレコムの子会社ビジネス・ソリューションズに委託した。このネットワークに華為製のルーターとサーバーが使用される。

鉄道のITシステムは重要インフラに指定されていない。DBの広報担当者は、発注したシステムは公共のものではないため当局への報告義務はないと述べ、法律上の問題はないとの見解を示した。

だが、サーバーなどで使用されるOSは定期的に更新されることから、製造元によりひそかにマルウエアが送り込まれるリスクがある。与党・緑の党の連邦議会議員は、DBが華為の製品を使用するという話が本当であれば深刻な問題だと懸念を表明した。

与党・社会民主党(SPD)のニルス・シュミート議員(外交政策担当)は、情報技術セキュリティ庁法(BSIG)の適用対象をこれまでの電気通信から病院やエネルギー事業者、鉄道にも拡大適用することを与党内で協議していることを明らかにした。そうした措置の必要性についておおむね合意が形成されているという。

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