電機大手の独シーメンスは4日、製造業の脱炭素化に向けNTTコミュニケーションズ、NTTデータの2社と協業すると発表した。シーメンスのビジネスプラットホーム「Xcelerator」とカーボンフットプリント(CFP)管理ソフトウエア「Sigreen」を用いて、事業活動で排出される二酸化炭素(CO2)のデータを、メーカーがサプライチェーンに沿って把握・活用できるようにする。セドリック・ナイケ取締役(デジタル産業部門最高経営責任者=CEO)は、「脱炭素化はグローバルな課題だ。そのために我々は大陸を超えて協業しなければならない。シーメンス、NTTコミュニケーションズ、NTTデータはITと自動化技術を組み合わせる。それにより、持続可能な生産のための大きなテコを顧客に提供する」と述べた。
3社はオムロンおよびデンソー・インターナショナル・ヨーロッパとともにパイロットプロジェクトを実施する。様々なデータエコシステム間の相互運用性を検証。例えばCFPデータの国際的な交換が日本と欧州間で行えることを確認する。参加企業のデータ主権を確保するため、「カテナ-X」「エステイニアム」などオープンなデータエコシステムを利用する。
Sigreenは製品のCFPをサプライチェーンに沿って調査し、安全に共有するためのソフト。シーメンスおよび第3者の製品と相互運用できる。SaaS(サービスとしてのソフトウエア)としてXceleratorのポートフォリオの一部を構成している。