ドイツ鉄道が国内水素輸送の20%を分担

ドイツ鉄道(DB)の鉄道貨物子会社DBカーゴは22日、国内の水素輸送の20%を引き受けることが可能だとの見解を発表した。将来の水素輸送の中核を担うパイプライン網は最終的な構築に数十年を要することから、鉄道は長期の渡って大きな役割を果たすとみている。

独政府は国内の水素需要が2030年までに年およそ110テラワット時に達すると予想している。その多くは国外からアンモニアなど輸送キャリアの形で輸入。港湾でクラッキングを行って水素を分離し、パイプラインで輸送する。パイプライン敷設に向けた準備もすでに始まっている。ただ当面は、化学や鉄鋼など主要な需要家産業が集中する地域に限られることから、他の輸送手段で補完する必要がある。

DBカーゴはタンク車を用いた化学品の鉄道輸送で実績があることから、アンモニアなどの輸送キャリアを港湾から需要家のもとに届けることができる。すでにエネルギー企業と共同で輸送コンセプトを作成した。液化水素やガス状の水素の輸送も行う。

水素や水素輸送キャリアはトラックで輸送することも可能だが、当面は内燃機関車が大多数を占めることから、二酸化炭素(CO2)が大量に排出されるという問題がある。DBカーゴによると、貨物列車は1編成の輸送能力が最大でトラック52台分に相当。CO2排出量は80~100%少ないという。

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