輸入物価が09年以来の下げ幅に、5月は-9%

ドイツ連邦統計局が30日発表した5月の輸入物価指数(2015年=100)は前年同月比9.1%減の126.8となり、09年9月以来の大幅下落を記録した。同物価の低下は3カ月連続。比較対象の22年5月はロシアのウクライナ進攻開始(2月24日)の影響で輸入価格が高騰していた。今年5月はそのベース効果で物価を押し上げる力が弱まったことから、指数が下落した。物価高騰の最大の原因となっていたエネルギー価格が特に低下している。

エネルギーは前年同月を37.6%割り込んだ。下落幅は電力で53.9%、石炭で53.2%、天然ガスで39.7%、石油製品で35.9%、原油で31.4%に達した。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の下げ幅が1.7%にとどまった。

中間財は8.2%減となり、下げ幅は前月の6.5%から拡大した。低下は3カ月連続。下落幅は肥料・窒素化合物で52.9%、カルボン酸と誘導体で32.4%、アルミニウム・アルミ合金で24.9%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金で22.8%と特に大きい。スターチ・スターチ製品(+61.3%)、中空ガラス(+22.9%)は大きく上昇した。

非耐久消費財は3.5%上昇したものの、上げ幅は前月(4.8%)を下回った。上昇率は食料品で7.8%(前月10.4%)を記録。果物・野菜製品は13.0%(同13.9%)、食肉・肉製品は6.4%(9.2%)、豚肉は27.3%(21.7%)だった。

耐久消費財は3.2%(4.4%)。

投資財は4.1%で、前月を0.6ポイント下回った。構成比重の高い自動車・自動車部品は5.6%(6.3%)、機械は5.2%(5.9%)となっている。

農産物は2.1%減となり、2カ月連続で下がった。天然ゴム(-25.0%)、穀物(-24.2%)、コーヒー生豆(-15.0%)は前月に引き続き下げ幅が2ケタ台となっている。豚は57.5%、卵は29.9%上昇した。

輸入物価指数は前月比では1.4%減となり、9カ月連続で下落した。ピーク時の昨年8月(149.1)に比べると15.0%低い水準だ。エネルギーは前月比で6.4%低下。その他の財も中間財が1.2%、非耐久消費財が0.2%、農産物が2.0%の幅で下落した。耐久消費財と投資財はともに0.2%上昇した。

輸出物価指数は前年同月比0.1%増の122.5となり、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。押し上げ効果が最も大きかったのは構成比重が約46%に上る投資財で、上昇率5.2%を記録。機械は7.5%、自動車・自動車部品は3.9%だった。

同比重が約33%に上る中間財は1.7%下落。消費財は4.7%上昇した。

輸出物価は前月比では0.4%下がり、5カ月連続で低下した。過去最高となった昨年8月(128.7)に比べると4.8%低い。

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