ドイツの自動車業界の事業見通しが急速に悪化している。Ifo経済研究所が5日発表したところによると、完成車メーカーの6月の期待指数(今後6カ月の事業見通しを示す)はマイナス56.9ポイント(DI)となり、前月のマイナス10.3ポイントから大幅に落ち込んだ。事業の悪化を見込む企業の割合が改善を見込む企業を55ポイント以上、上回っている計算で、リーマンショックに起因する金融危機の最中にあった2008年以来の低水準となった。同指数の低下は5カ月連続。コロナ禍の影響で半導体の供給不足が発生し、受注残が膨らんだことから、現状判断指数は前月の28.4ポイントから37.5ポイントに改善したものの、新規受注が減少していることから、自動車業界の景気は低迷が予想される。
自動車のサプライヤー業界では現状がすでに悪化しているもようで、現状判断指数は前月の41.3ポイントから32.6ポイントへと低下した。期待指数もマイナス20.3ポイントからマイナス32.1ポイントに下がっている。