化学大手の独BASFは12日、粉体塗料の製造に用いられるネオペンチルグリコール(NPG)を飽和ポリエステル樹脂の有力メーカーである浙江光華科技(KHUA)に供給することで基本合意したと発表した。温室効果ガスと有害な揮発性有機化合物(VOC)の排出量が少ない粉体塗料の需要が中国とアジア太平洋地域で高まっていることに両社の協業を通して対応する。
KHUAは広東省の湛江経済技術開発区に粉体塗料樹脂工場を建設することを計画している。年産能力は10万トン。BASFは湛江に建設中の総合生産施設(フェアブント拠点)から同工場にNPGを供給するNPG生産施設は2025年第2四半期の操業開始を予定している。
NPGは粉体塗料の中間体として用いられる。VOCの含有量が少ないため、液体塗料に比べてVOCの排出量を最大50%削減できる。NPGは潤滑油、可塑剤、医薬品などの製造にも使用される。
BASFが湛江に設置するNPG工場の年産能力は8万トンに上る。同工場が稼働すると同社のNPG世界生産能力は年33万5,000トンに拡大する。BASFのNPG工場は現在、独ルートヴィヒスハーフェン、米フリーポート、中国の南京と吉林にある。