人工透析のFMCが企業形態変更、株主総会で決議

総合医療大手フレゼニウスの人工透析子会社フレゼニウス・メディカル・ケア(FMC)は14日の臨時株主総会で、企業形態を「株式合資会社(KGaA)」から株式会社(AG)に変更することを賛成多数で可決した。FMCをフレゼニウスの連結対象から外す計画の一環。年末までにAG化の手続きを完了する。

FMCは人工透析の有力企業。かつてはフレゼニウスの業績をけん引していたが、コロナ禍による透析患者の死亡や主要市場・米国での介護人材不足、サプライチェーンのひっ迫、人件費・材料費の上昇が響き経営が低迷しており、フレゼニウス株主の間から分離を求める声が出ていた。

FMCに対するフレゼニウスの出資比率は32%にとどまる。だがFMCが株式合資会社という特殊な企業形態を取ることから、FMCの業績は100%フレゼニウスの連結決算に反映されている。株式会社化すると、これが出資比率に見合った割合(現在32.2%)に低下することから、フレゼニウスは自らの財務を改善できる見通しだ。FMCも迅速に決定を下せるようになる。

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