テスラが独工場の生産能力倍増へ

電気自動車(BEV)大手の米テスラが独グリュンハイデ工場の生産能力を倍増する意向だ。18日に開催された地域住民向けの情報開示イベントで明らかにしたもので、雇用規模も2倍に増やすとしている。ただ、同工場の稼働率は現在、低いうえ、生産能力拡張工事がいつ終了するのかも明らかにしていないことから、計画をいぶかしむ声が出ている。

グリュンハイデ工場は昨年3月に車両生産を開始した。生産能力は年50万台。同社はこれを100万台に引き上げる。車載電池も2倍の100ギガワット時に拡大する意向だ。これに伴い雇用規模を現在の1万1,000人から2万2,500人に増やすとしている。

同工場では現在、週当たり5,000台が生産されている。年に換算すると25万台程度で、稼働率は50%に過ぎない。日刊紙『ヴェルト』が金属労組IGメタルの情報として報じたところによると、先週(2023年第28週)1週間だけで正社員およそ200人が解雇されるか、労働契約の解除合意に署名したという。労組関係者は、従業員を倍増するという予告は実情に合致していないと指摘した。

生産能力拡張計画に対しては環境保護団体NABUが異議を唱える意向だ。水資源が損なわれることを懸念しているためで、地元ブランデンブルク州支部の役員は、「工場の北部と南部には十分な量の清廉な水を必要とするデリケートな自然空間がある」と指摘。計画に反対していく考えを示した。

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